ファクタリングとは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説
ファクタリングとは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説
「ファクタリング」という言葉を耳にする機会が増えていますが、「なんとなくわかるけど、正確には説明できない」という方も多いのではないでしょうか。ファクタリングは、中小企業・個人事業主が資金繰りを改善するための有力な手段として、近年急速に普及しています。本記事では、ファクタリングの基本的な仕組み・メリット・デメリット・向いているケースまでをわかりやすく解説します。
ファクタリングとは何か
ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却することで、入金期日前に現金を受け取るサービスです。売掛金の「買取」によって資金を調達するため、借入(融資)とは根本的に異なります。
たとえば、A社がB社に100万円分のサービスを提供し、「翌月末払い」で請求書を発行したとします。通常であれば翌月末まで入金を待つ必要がありますが、ファクタリングを利用すると、この100万円の売掛金をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた金額(例:95万円)を今すぐ受け取ることができます。
ファクタリングと融資の違い
ファクタリングと融資(借入)は、どちらも資金を調達する手段ですが、その性質は大きく異なります。
- 融資:金融機関から資金を借り入れる。返済義務・利息が発生し、貸借対照表の「負債」が増加する
- ファクタリング:売掛金という「資産」を売却する。返済義務がなく、負債は増えない
ファクタリングは「資産の売却」であるため、借入ではありません。このため財務諸表上の負債が増えず、自己資本比率などの財務指標に影響しない点が大きな特徴です。
ファクタリングの仕組み
基本的な流れ
- ①売掛金の発生:取引先(売掛先)に商品・サービスを提供し、売掛金が発生する
- ②ファクタリングの申し込み:ファクタリング会社に売掛金の買取を申し込む
- ③審査:ファクタリング会社が売掛先の信用力などを審査する
- ④契約・売掛金の譲渡:審査通過後、売掛債権譲渡契約を締結する
- ⑤買取代金の受取:ファクタリング会社から手数料を差し引いた買取代金が振り込まれる
- ⑥売掛先からの入金:入金期日に売掛先からファクタリング会社(または自社経由)へ入金される
2社間と3社間の違い
ファクタリングには「2社間」と「3社間」の2種類があります。
- 2社間ファクタリング:自社とファクタリング会社の2者間で完結。売掛先への通知が不要で、スピーディーに資金化できる。手数料は10〜20%程度
- 3社間ファクタリング:自社・ファクタリング会社・売掛先の3者が関与。売掛先の承諾が必要だが、手数料が低い(2〜9%程度)
ファクタリングのメリット
①最短即日で資金化できる
銀行融資の審査には数週間〜1か月以上かかりますが、ファクタリングは審査から資金化まで最短即日で完結できます。急な資金需要・月末の支払いへの対応など、スピードが求められる場面で特に有効です。
②負債が増えない
ファクタリングは売掛金の「売却」であるため、貸借対照表上の負債は増えません。財務指標を悪化させずに資金調達できる点は、融資との大きな違いです。
③審査が柔軟で赤字でも利用できる
ファクタリングの審査では、自社の財務状況よりも売掛先企業の信用力が主な判断基準となります。そのため、自社が赤字・債務超過・税金滞納中であっても、売掛先の信用力が高ければ審査を通過できる可能性があります。
④貸倒れリスクをファクタリング会社に移転できる
ノンリコース(償還請求権なし)型のファクタリングでは、売掛先が倒産しても買戻し義務が発生しません。売掛金の貸倒れリスクをファクタリング会社に移転することで、安心して事業に集中できます。
⑤信用情報に影響しない
ファクタリングは融資ではないため、信用情報機関(CIC・JICCなど)への登録がありません。銀行融資の審査に影響を与えることなく、並行して資金調達できます。
ファクタリングのデメリット
①手数料が発生する
ファクタリングでは、売掛金額に対して手数料(2〜20%程度)が差し引かれます。2社間ファクタリングは手数料が高め(10〜20%)、3社間ファクタリングは低め(2〜9%)が一般的です。手数料は融資の利息より高くなることが多いため、コスト面での検討が必要です。
②売掛金がなければ利用できない
ファクタリングは売掛金(請求書)を売却するサービスであるため、売掛金が存在しなければ利用できません。現金商売・個人顧客向けビジネスでは活用が難しい手段です。
③売掛先が個人の場合は利用できないケースがある
ファクタリング会社の多くは、売掛先が法人であることを条件としています。個人を相手にしたビジネスの売掛金は対象外となるケースがあります。
④悪質業者が存在する
ファクタリング業界には、法外な手数料を請求する悪質な業者も存在します。契約前に手数料の内訳・償還請求権の有無・会社の実態を必ず確認することが重要です。
ファクタリングが向いているケース
- 月末の給与・仕入れ代金の支払いに売掛金の入金が間に合わない
- 銀行融資の審査待ち期間のつなぎ資金が必要
- 赤字・税金滞納などで銀行融資が受けられない状況
- 急な大口受注に対応するための先行投資資金が必要
- 負債を増やさずに資金調達したい
- 取引先の倒産リスクをヘッジしたい
ファクタリングが向いていないケース
- 売掛金が存在しない(現金商売・個人顧客向けビジネス)
- 資金に余裕があり、手数料コストを避けたい場合
- 取引先(売掛先)の信用力が著しく低い場合
まとめ
ファクタリングは、売掛金を活用して最短即日で資金調達できる有力な手段です。融資と異なり負債が増えず、審査が柔軟で赤字でも利用できる可能性があるため、銀行融資が使えない局面でも活躍します。一方、手数料が発生するため、コストと緊急性のバランスを考慮した上で活用することが重要です。売掛金を保有する中小企業・個人事業主の方は、資金繰りの選択肢のひとつとしてファクタリングをぜひ把握しておきましょう。
